二つある借用書。支払開始したのは、無効にしたもの。有効なのが別にある場合。
こんにちは、更科と申します。
弁護士先生方に以下の事案について、法律家の知識や判例などに基づいて、ご意見を頂けたら幸いです。
事の始まりは、1000万円をXさんから借りた事にあります。
①借用書A 借入金額 1000万円
借入日 平成14年9月某日
返済期日 平成15年9月某日
②借用書B 借入金額 1000万円 (このコピー所持)
借入日 平成14年9月某日(記載日平成15年9月某日)
返済期日 平成16年9月某日
*尚、借入日 平成14年9月某日付き借用証書(借用書A)は、本証(借用書B)と差し替えて前証(借用書A)は無効とする。
借用書Bは金融事情により話し合いで返済期限を延長する形をとり、再度取り交わしたものです。この借入は、Xさんが私に迷惑をかけたということで、形上取り交わしたもので返済しなくてもいいという約束で、借用書Bを作りました。
しかし、Xさんの親族が猛反対しており、借用書Aの9年半後に弁護士を通して貸金請求を地裁に起こされ、10年時効援用もできないことから毎月10万利息なし元本のみ返済することで示談が決着し、毎月10万払っています。(100か月)
先日、借用書Bコピーが見つかったのが、現在の経緯です。
ここで、専門家に質問です。
①借用書Bでは、借用書Aは無効とするとなっています。この場合、正式な借用証はBであることで良いのでしょうか?
②もし借用書Aが無効な場合、借用書Bを時効援用できるか?
③もし借用書Aは無効な場合、現在支払中の10万円を止める為に、反訴(債務不存在確認訴訟等)できるか。また、今まで示談で支払っていた分の金銭の返還請求は可能か?
専門家のご助言を頂けたら幸いです。
よろしくお願い致します。
ID:5435 投稿日:2016/02/06 00:06:57 投稿:更科
回答数 2件
「返済しなくてもいいという約束」でありながら借用書を作る、というのがどういう状況なのか、よく理解できませんが、その点は措いて、ご質問にお答えします。
まず①についてですが、「借用書」は手形と違って借用書を作ることで権利・義務が生まれるものではなく、権利・義務が生まれたことの証拠に過ぎません。「お金を借りた」という事実が存在する以上、後日、借用書を「無効とする」と約したとしても、「お金を借りた」という事実の証拠という意味において借用書が「無効」になることはありません。
借用書Bは「返済期限延長の合意が成立した」という事実に関する(借用書Aが証する事実とは別個の事実を証する)証拠です。
したがって、借用書Aが「無効」であることを前提とするご質問②、③は前提を欠いているといえますが、③について付言すると、いったん和解が成立すれば、たとえその内容が実際の権利関係と異なっていたとしても、実際の権利関係の方が和解の内容に従って修正されます(民法696条)。したがって、成立した和解に基づいてあなたが支払った金員は正しく義務を履行したものに過ぎず、その返還を求めることは、いずれにせよ出来ません。
ID:A20160206082310 投稿日:2016/02/06 08:23:10
更科 さん
影山博英弁護士、回答ありがとうございます。
事情が色々とありまして、理解できないところがあると思います。
借りた事は事実ですし、一度和解したものは取り消せないのは当然ですね。
先生の説明で納得いきました。
相談ありがとうございました。
ID:A20160206164835 投稿日:2016/02/06 16:48:35