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建築・不動産

契約違約金等について

引渡し3週間前になって買主(Aさん)より契約解除の申し入れがありました。
Aさんは現在の住まいを売却し、その資金で私の所有する家を購入することになっていました。
しかし、Aさんの現家を購入するハズだったBさんより仲介業者(C社)を通じ、売買の契約を撤回するとの連絡があったようです。
理由として今になって二階建ての家が建てられない事が分かったからだそうです。
C社は二階建ての家が現在あるため、その土地に二階建てが新築できない事を認識していなかったと言っているようです。
引渡しも3週間にせまっていたため、私は次の家を借り、引渡しの準備もほぼ終えています。

①違約金について
例:2000万(物件価格)ー100万(手付金)。
違約金を10%とした場合の違約金は200万?190万?。
②損害賠償請求について
私はAさん、C社を相手に損害賠償請求を行うことは出来ますか?
Aさん、C社は共に「二階建てが現存しているので、新たに二階建てが建たない事は認識していなかった」と言っています。
C社についてはその責任は多大だと思います。「認識してなかった」では済まされないと思います。
建築基準は事前に調べますよね?全てはC社の落ち度が招いたと考えています。
③当方の仲介業者に手数料は満額支払うのでしょうか。

ID:5413 投稿日:2016/02/02 13:27:21 投稿:やまっち

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回答数 1件

影山博英弁護士

法律事務所
影山法律事務所
住所
大阪府大阪市北区西天満4-3-11 梅新パークビル7F
TEL
06-6311-2110

ご質問は、いずれも契約の解釈問題ですから、契約書を見ずに正確なことは申し上げられません。質問文に基づいて言える範囲でお答えしますが、あるいは誤解により不適切な回答になっていたとしても御容赦ください。契約書をお持ちになって弁護士の相談をお受けになることをお勧めします。

①について
契約書に「違約金」を「10%」とする定めがあるということでしょうか。そうだとすれば、何に対する「10%」か、は契約書に何に対する「10%」と書かれているかによります。

②について
まず、授受された手付金の位置付けが解約手付であるとすると、買主は売主が「履行に着手」するまでは、いつでも手付金を放棄して契約を解除することができます(民法557条1項)。
あなたの場合、「次の家を借り、引渡しの準備もほぼ終えている」という状況であることからすると、(断定はできませんが)既に「履行に着手」しているといえそうです。そうだとすると、相手方は手付金を放棄しても契約を解除したことになりませんので、債務不履行に基づく責任を負うことになります。
次に、契約書に「違約金」の定めがあるとすると、その趣旨が問題となります。民法は、当事者が損害賠償額の予定を定めた場合、裁判所はこの額を変更できないとしています(民法420条1項)。したがって、「違約金」が損害賠償額の予定の趣旨で定められているとすれば、「違約金」の請求はできても、それ以上の損害賠償は請求できないことになります。なお、この点、「違約金」は損害賠償額の予定と「推定」されることに注意が必要です(民法420条3項)。
仮に損害賠償が可能とした場合、請求する相手は契約の相手方であるAさんです。C社とあなたとの間には何ら契約関係がありませんので、C社に対する請求は困難です。

③について
仲介業者とあなたとの間の媒介契約において、報酬がいかなる場合に発生すると合意されているか、という契約の解釈問題です。
ただし、最高裁は、「一般に仲介による報酬金は、売買契約が成立し、その履行がされ、取引の目的が達成された場合について定められているものと解するのが相当」と述べています(最判昭和49年11月14日裁判集民113号211頁)。
したがって、媒介契約において、契約が解除された場合も報酬の発生を認める趣旨が文言上明らかでなければ、報酬全額の支払義務は認められない可能性が高いでしょう。
その場合、報酬を全く支払わなくてよくなるか、というと、そうではなく、裁判所が相当と認める額の支払いを命じられることになります。
参考までに一例を挙げれば、福岡高裁那覇支部平成15年12月25日判決では、手付放棄による解除がなされて売主が手付金2000万円を没収したという事案で、契約に基づく報酬額1658万円余のところ、裁判所は1000万円の報酬を認めています(判タ1153頁149頁)。

ID:A20160202151312 投稿日:2016/02/02 15:13:12

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