肖像権について
初めて質問させて頂きます。
知人が、とある芸能人の方に自作アルバムをプレゼントしようとしています。内容はご本人がブログやTwitter等に載せられた写真だけを印刷して貼り付けた物です。お金のかかる登録制ファンサイトでは写真は無断転載禁止とありますが、誰でも見れるブログやTwitter上の写真にはその様な記載はありません。
知人のこの場合お金も発生しませんし、ご本人しか目にされないので、これは肖像権などに反しないのでしょうか。心配になったので専門家の方にご意見頂ければと思い質問させて頂きました。宜しくお願い致します。
ID:4975 投稿日:2015/11/02 18:43:14 投稿:まりめ
回答数 1件
結論からいうと、「全く問題はないとも言い切れないが、問題にはなりにくいのではないか?」と考えます。
肖像権侵害というのは、一般に人が無断撮影されて、それがSNSなどで拡散されたようなケースで問題となっているものです。本件では、芸能人が自分でアップした画像を印刷して貼り付けたものを本人にあげる、ということで、隠し撮りでもなければ拡散するわけでもないので、肖像権侵害を主張されることはないでしょう。
>お金のかかる登録制ファンサイトでは写真は無断転載禁止とありますが
この記載はどちらかというとパブリシティ権(ある人に備わっている、顧客吸引力を中核とする経済的価値を保護する権利)の保護を目的とするもので、肖像権とはちょっと違うのですね。
仮に無断転載禁止と書かれていないブログやツイッターの画像であっても、例えばこれを印刷してオリジナルグッズを製作・販売したとなると、損害賠償請求をされる恐れがあります。ですが、本件のように個人的にアルバムを作って本人にあげるということになれば、特に損害が発生しているわけでもないので、この点も大丈夫でしょう。
では、当職が何を問題視しているかというと、著作権(複製権)侵害ではないか?という点です。まず、個人的にこのようなアルバムを作って自分で眺めている分には、「私的使用」(法30条1項)ということで問題ありません。が、芸能人本人に渡すのであれば、「私的使用」ではないと考えられますので、厳密には著作権侵害ではないか?と思うわけです。
ただ、この場合の写真の著作権者は(おそらく)芸能人本人ですので、本人がそのような写真の使われ方を許諾しているということならば、問題ないでしょう。また、特に損害が発生するわけでもない、ファンの好意から出た行為ということであるので、それに対して芸能人が何か法的措置をとることも考えにくそうです(もっとも、結果として芸能人本人がダメだと言ったらダメです)。
ID:A20151105120155 投稿日:2015/11/05 12:01:55