お客様にご紹介したページから被害が発生した場合、紹介者に責任が発生するのか
初めまして。初めて質問させていただきます。
私はとある企業でカスタマーサポートをしております。
先日、仕事において以下のような事案がありまして、これが法律的に問題になるのかどうか伺いたく存じます。
サポート窓口に質問をお送りいただいたお客様に対して私が回答を差し上げたのですが、メールでの回答だけでなく、詳しく説明したWebサイトを付記するほうが参考になると考え、
「このサイトが参考になります。http://~」とページを紹介しました(ここで紹介したのは、私やどこかの企業が作成した企業サイトではなく、どなたかが作ったブログの一記事でした)。
このサイトの内容が正しいことは確認していましたし、ウイルスやスパイウェアに感染していないことも事前に確認しました。
ところが、この件について上司から、うかつに外部サイトへのリンクを貼ったとき、もしそのページがウイルスやスパイウェアに感染しており、お客様が被害を受けたとき、企業の責任が問われるリスクがあるといわれました(実際に発生したわけではなく、そういう可能性があるという懸念でした)。
しかし、そのようなリスクが法的に存在するのでしょうか?
もちろん、明らかに有害であるといえるサイトに故意に誘導したり、「このサイトは全くだめです」などと誹謗中傷的な紹介をした場合などは問題だと思いますが、ウイルスとは到底いいがたいサイトで、そのサイトを紹介する合理的な理由もあり(リンク稼ぎなどの悪質な理由で紹介したわけではない)、そのサイトがウイルスに感染していないことも事前に確認済みであったとした場合、責任はどうなるのでしょうか?
私の考えだと、紹介者はリンク先サイトが悪質なものではないこと、ウイルスに感染していないことまでを確認すればOKで、実際にアクセスしたときに感染するかどうかはお客様のセキュリティの問題だと思うのですが……。
インターネットはリンクフリーな空間ですから、適切なリンクの貼り方をしていれば、それが問題になるとは思えません。
ID:2785 投稿日:2014/07/26 13:00:36 投稿:たろう
回答数 1件
通りすがり さん
一般人からの回答で申し訳ありません。
カスタマーサポートをしている場合には、企業と顧客との間で、カスタマーサポート契約を締結し、サポートというサービスを提供しているもの(債務を負っている)と考えられます。
サポートというサービスの提供債務には、債務の本旨から顧客に不当な損害を与えないよう配慮する義務が生じると考えられ、これに反する場合には債務不履行に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。
本件のように「このサイトが参考になります。http://~」とページを紹介する場合には、内容・ウイルス等に感染しないよう事前に確認することが顧客に不当な損害を与えによう配慮する義務にあたると思われますので、ウイルスとは到底いいがたいサイトで、そのサイトを紹介する合理的な理由もあり(リンク稼ぎなどの悪質な理由で紹介したわけではない)、そのサイトがウイルスに感染していないことも事前に確認済みであったとした場合に、債務不履行に基づく損害賠償が発生する可能性は低いと思われます。
この点では、ご質問者の、紹介者はリンク先サイトが悪質なものではないこと、ウイルスに感染していないことまでを確認すればよいという考え方は、債務不履行責任を発生させないと考えられる点で法律上は大丈夫な考え方と思われます。
しかし、企業と顧客の関係は微妙な信頼関係がありますので、企業側としては十分は注意義務を尽くしていたと主張しても、顧客の側から結果責任を問われて紛争に発展するケースは少なくありません。また、カスタマーサポート自体の紹介でウイルスに感染した場合に、法的責任を負わずとも、風評等で結果として信頼関係が失われ、会社の売り上げに影響を与えることは想定できます。
上記の観点からは上司の方のうかつに外部サイトへのリンクを貼ったとき、もしそのページがウイルスやスパイウェアに感染しており、お客様が被害を受けたとき、企業の責任が問われるリスクを懸念することも妥当と思われます。
ID:A20140729104809 投稿日:2014/07/29 10:48:09