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刑事事件

著作権法違反で幇助犯だけ告訴できないか

私Xには著書があり、出版契約で、二次的利用の事務を出版社Yに委任しています。ところがこの出版社が、私の著書の内容の一部を、私に無断で、別の著者Z1およびその出版社Z2に無償で提供しました。
告訴を検討中です。
提供行為は詐欺・背任・業務上横領のどれか(検察に任せますが)なのでしょうが、著作権法違反(複製権または翻案権、公表権、氏名表示権の侵害)でも告訴したいと考えています。
しかし、別の著者Z1およびその出版社Z2は、Yから、かかる利用が私Xの権利を侵害しないとの説明を得て著作・出版したもので、「善意の第三者」的な立場と考えられ、私Xにも処罰感情はありません。Yの説明を無視するかたちで元の著者に連絡しようとはしないのが商慣習だからです。
しかし、公表する行為が「侵害」だとすると、Z1・Z2が共同正犯、Yは幇助犯となり、Yだけを告訴するのは要件を欠くように思います。
知財高裁平成19年5月31日等、出版社の責任を認めた判示は見つけましたし、ジュリスト1306髙部論文や
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/90002644.pdf
も見ましたが、が、正犯が「善意の第三者」的で、著作物提供者のみ罰した判示や論理が見つけられないでおります。
そのような判示がないか、また、ない場合、どのようにすれば著作物提供者の可罰性を立論し得るのか、お知恵をお貸しください。
「(公表されるであろうとの)情を知って提供した」ところまでは思いつきますが、公表はY単独ではなしえないのに提供を侵害とみなすのは擬制が過ぎるように思われてならないのです。
しかし、「善意の第三者」的公表者への著作物提供者への可罰性がない、というのも困るように思います。
あるいは26条の二、26条の三でしょうか?

今回はYが焦点ですが、もっと一般的に、ある著者が「他の権利を侵していないこと」を保証する契約のもとに、かつ、商習慣上「完パケ」があり得る場合において(編集者の関与が普通のマンガ業界のハイスコアガール事件とは異なる)、実は他者の権利を侵害している著作物が公表された際、出版社を騙した著者の罪だけを問うロジックはないか、と置き換えられるようにも思います。
この場合だと26条の二、26条の三は合わないような・・・

最後は検察のご判断ですが、告訴に際して自分自身のロジックがはっきりしないのは落ち着きません。

ID:10559 投稿日:2019/11/27 12:18:33 投稿:みみずく

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