無料で貸した空き家が地震で倒壊し、住人が死亡した場合の法的責任は?
熊本県在住のものです。つい3か月前に、空き家になっていた私の実家を借りたいという方が現れました。関東のご出身で、私の地元の風景を気に入っておられて、意気投合し、地元の人間とも仲良くなったので、地域が少しでも元気になるならとお貸しすることにしました。
基本的な条件は、
①現状のままお貸しする 借主が改修してもOK(貸主の承諾が必要)
②天災等で建物が被害を受けた場合、貸主は修繕義務を負わない代わりに、借主は即時にそのままの状態で退去することができる
③借主の著しい過失により建物が損傷した場合は借主は現状復旧義務を負う。
④敷地を含め管理していただく代わりに、賃料は無料とする
としました。
そして4月に地震が起きました。幸い私の地元はほとんど被害がなく、借主さんも無事でよかったですが・・・考えたくはないことですが
もしも、地震で建物が倒壊し、そのために借主さんが死亡された場合、
今回の条件であっても貸主に何らかの賠償責任が生じるか?ご存知の方にご回答いただければ幸いです
※この疑問が生まれた元情報(このケースは賃貸物件です)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1488920879
すごく人が減っている地域ですので、空き家はたくさんあります。
海がきれいで、魚とフルーツがおいしい地域で、このごろ移住したいとおっしゃる方は多いそうです
空き家を無料で貸すことで、地域に人を呼び戻すような淡い夢を描いておりましたが、とにかく古い家ばかりですので、賠償責任のない形の契約ができないと、他の空き家所有者も二の足を踏んでしまうと思います。
契約内容の見直しなど、何か良い知恵があれば、ご教授くださいますようお願いします。
ID:6094 投稿日:2016/05/16 15:23:48 投稿:じゅんいち
回答数 1件
引用されているURLの回答と、そこに引用されている神戸地裁の裁判例をざっと拝見しましたが、上記裁判例は、自然力の損害発生への寄与度を割合的に斟酌し、損害の5割の限度で土地工作物責任を認めたものです。その理由は、「本件建物は、建築当時を基準に考えても、建物が通常有すべき安全性を有していなかったものと推認することができる」からです。
この裁判例からすると、地震で建物が倒壊し、借主が負傷ないし死亡した場合において、当該建物が「通常有すべき安全性」を有していない場合には、(全額ではないにしても)所有者が責任を負う可能性があります。法的根拠としては民法717条です。これは所有者に関しては無過失責任なので、逃れようがありません。
そうしますと、家を貸す場合には「通常有すべき安全性」を有しているかどうかを事前によく確認しないと、もしもの場合には損害賠償請求され、この請求については逃れようがない、ということになります。
>契約内容の見直しなど、何か良い知恵があれば
民法717条の責任は、契約上の責任ではなく不法行為に基づく損害賠償請求ですから、契約内容の見直しをしてもあまり意味がなく、そもそも安全性の低い建物は貸すべきではないということです。
<参考条文 民法717条>
1.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2.前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3.前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
ID:A20160516195345 投稿日:2016/05/16 19:53:45
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