通訳者の著作権について
フリーランス通訳者として仕事をしている者です。
(※通訳であり、翻訳ではありません。
通訳=口頭での訳
翻訳=文字での訳)
今回お仕事依頼のあったクライアントより、私が通訳した内容を後日文字起こしして文面にし、国際的な業界誌等に掲載することを検討中と聞きました。
この場合、著作権のようなものは発生しますか?また、それは誰に帰属し、対価は発生するべきものでしょうか?
このクライアントは非営利組織です。この業界誌掲載に際しても利益等は発生せず、PR目的でもありません。
また、私はこのクライアントの社員や従業員ではなく、あくまでフリーランスの単発でのお仕事です。
現時点では本件お仕事前の段階で、受発注書面の取り交わし等もまだです。
もし正式にお仕事をお引受けすることとなった場合、留意すべきこと等ありましたらご教示いただきたく、こちらで事前にお尋ねしている次第です。
どうぞよろしくお願いいたします。
ID:4324 投稿日:2015/06/24 17:05:41 投稿:かにみそ
回答数 1件
口頭で通訳を行った場合にも、その内容は著作権法にいう「翻訳」にあたると考えられます。文字で紙に起こした場合と差をつける理由がありません。
そうすると、あなたが通訳した内容(以下、「通訳内容」といいます。)は二次的著作物となり、その通訳内容に関してはあなたが権利を有することになります。
一方、著作権法28条に、「二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。」とあります。そのため、通訳内容については原著作物の著作者にも権利が発生します。
そういうことで、通訳内容に関する権利が原著作者とあなたの双方に発生することになり、クライアントは双方から許諾を得なくてはいけなくなります。その際に対価が発生するかどうかは金額の点も含めて、要はクライアントとの話し合いになると思います。
>もし正式にお仕事をお引受けすることとなった場合、留意すべきこと等ありましたらご教示いただきたく
業界紙掲載にあたっては、むしろクライアントのほうが上記のような点において注意しなくてはならないと思います。業界紙掲載にあたってクライアントに対してあなたが通訳内容の使用料(?)を請求したいのであれば、前もってそのことと金額を契約書等に明記することをお勧めします。
ID:A20150629113234 投稿日:2015/06/29 11:32:34
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