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労働関連

内定通知書受領後の、会社都合による内定白紙の通達に対する対応に関してのご相談

12月入社で内定通知書を相互署名捺印のもと締結し、転職に向けて準備しておりましたが、CEOとCOOの人材採用計画の意見の食い違いなどから対立が表面化し、急遽開催された臨時取締役会でCEOが解任され、結果CEOが想定していた人材採用計画も全て白紙になるとの連絡がありました。その後至急面談をいたしましたが、中途採用の高年棒を快く思っていない新社長の元COOが、全て白紙=見直しという決定との事意外詳細が降りて来ていない状況だそうで、大変困っております。既に現職には退職届を出し、受領されたので撤回は出来ないですし、他社の内定も比較検討のうえお断りしている関係上、他の選択肢=猶予が無い状況ですので、12月から最悪無職の可能性も多分にありまして、家を購入し、また妻子もおります為、どういう対処法が良いか悩んでおります。現状では大幅減俸が提示されるかものみでしたので入社継続の方向は考えにくいですし、労働組合経由で労使間交渉など、通常の内定~書面での契約締結後の取り消しの違法性を確認したうえで、再転職活動期間中の補償、オファー時のギャランティーの約半年分をという事を依頼しようか考えております。どうぞ詳細のアドバイス等をいただけますよう、宜しくお願いいたします。

<本件の要点>
9月26日に、内定通知書を相互署名捺印のもと締結後、11月5日にCEOより、取締役解任による人事戦略撤回(採用計画の白紙)のご連絡を受けた経緯をまとめている。

<経緯まとめ>
◆今回の経緯(確執~今回に至った経緯) 
CEOとCOOの方との間で以前より細かな食い違いなどあったが、約2か月ほど前から意見の相違が深刻化し、溝を生み、社員を巻き込んだ対立状態となる。
主な原因は、改革派=攻めの人事戦略(キャリア採用を積極化し、サービス拡大)を取りたいCEOと、保守派=守りの人事戦略(既存社員の底上げをし、安定成長を)を推奨するCOOとの意見の相違から確執が表面化し、社外取締役を踏まえた臨時取締役会にて、一度頭を冷やす意味合いでCEOを交代させ、きちんと体制を整えるという結論になる。
結果、 CEOは一度COO以下?のプレイヤーになり、従事していく事になるが、決裁権を一切剥奪された為、いつからなどの詳細は下りて来ていない状態。
COOがトップに立つ事になった為、人事計画なども全てが対極な事から、今いる人員を大切に=高いギャラの外部採用は見直されるとの事で、白紙という決定が下る。
(私の件も白紙。ただし、既に内定通知書を締結している点も踏まえ、進言はするが、12月1日当初から?試用期間終了後?に大幅な見直し=減棒は必須かもとの事。)
こちらは会食後に一度社内に持ち帰り、週明けの11月10日(月)を目安にご回答をいただく事になる。
CEO、営業部長の方はあくまで私と仕事をすべく、全力で対策を取るが、家庭環境などを踏まえ、別プランも選択肢に入れていただいて構わないとのご意見をいただくが、他社の内定も既にお断りし、現職にも退職届受理~延長などの選択肢はなく、別プランのあてが無い状況の為、金銭的保障などを求める事も視野に入れて下さいとご進言する。

◆今後のご対応フロー
11月10日(月):CEOよりご検討・ご対応内容のFB
(1)締結済の内定通知書通りの年俸で勤務開始
(2)年俸見直し=減棒のご提示(入社日から?試用期間終了後?)
(3)金銭面での補償(再転職活動期間の生活費、その他の補償)

【法律関連の情報】
・内定とは?
企業の求人募集に対して労働者が応募するとその時点で、労働契約の申し込みがなされたということになります。これに対して、書類選考や筆記試験、面接などを経て企業からの労働者に対して内定(採用内定)を通知すると、労働契約申し込みを承諾したことになります。つまり、内定を通知した時点で、企業と労働者の間には労働契約が成立したことになりますので、この内定を労働者が受諾した時点で労働者は通知を行った企業の社員となったことになります。

・採用内定取り消しとは?
内定を受理した労働者は、内定を出した企業の社員となりますので、内定取り消しとは「解雇」にあたります。つまり、「内定取り消し」は「解雇」と同等の認識で行う必要があります。
「内定取り消し」、いわゆる解雇が認められる事由は、労働基準法第18条の2に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、 その権利を濫用したものとして無効とする。」というものがあります。これはつまり、内定取り消しには「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当として是認」される必要があるということです。
具体的な事由は、内定後に判明した事情・非違行為、留年・落第・健康状態、提出書類の虚偽記載、思想・信条・労働組合活動、採用者の見込み違いによる定員超過、経営状態の悪化、が内定取り消しの事由となり得ます。

・採用の内定を取り消すことは許されるか?
結論から言えば、ごく例外をのぞけば、取り消すことはできません。
また、会社による採用計画の変更などが上記の内定を取り消すことができる理由に当たらないことは明らかです。
内定の取り消しにあった場合には、会社に対して内定取り消しの理由を文書で回答するよう促してください。内定を受けてから内定取り消しを受けるまでの会社とのやりとりをまとめたメモなどをもって、一度弁護士にご相談してみてください。

・内定後の給料引き下げについて。これはありなのでしょうか?
業績が悪化し経営危機であったとしても、会社から一方的に減給することはできません。減給するためには、労働者個別の同意があるか(労働契約法8条)、就業規則の変更(労働契約法9条)の場合でなければなりません。

・内定は取り消すことができるのか?
内定は会社が一方的に取り消すことが可能ですが、条件があります。内定通知書にその取り消しの条件が記載されていることが多いですが、一般的には、内定を出した時点では分からなかった事情がその後判明し、その事情を理由に内定を取り消しても仕方ないといえるような場合に内定を取り消すことができます。 厚生労働省が示す具体的としては、大学卒業見込みで内定を受けた者がその後大学を卒業できなかった場合や、内定者が一定の犯罪行為を行った場合、健康診断で業務に耐えられない重大な異常が発見された場合などです。
また、赤字経営などを理由に整理解雇(リストラ)の対象として内定者が選択される場合がありますが、内定時から採用時までに急激に赤字となって人員削減の必要性が生じるとは考えにくいので、基本的にその場合には内定取り消しは許されないでしょう。

・賃金・給料を会社から一方的に下げることはできるか?
基本的には労働者の同意なく会社の一方的判断だけで給料を下げることはできません。 降格などに伴って給料を下げられる場合がありますが、これが有効となるためには、どういう場合に降格がなされるか就業規則に合理的な規程があり、その規程が労働者に知らされていなければならないと考えられます。 当然、就業規則に該当しても、会社が不平等に恣意的に使うことも許されません。業務対する査定により賃金を減額する場合も同様です。

・内定取り消しに対しての金銭面での補償は?
「内定」は「解約権留保付始期付雇用契約」という“限定的な”雇用契約(労働契約)とされます。
判例は、
①入社日の通知をした
②勤務場所や身分など各種労働条件を提示した
③研修の案内をした
④誓約書など必要書類の提出を求めた
⑤その他採用が確定した旨の意思表示を書面などでした
など、採用に向けた手続きを求めたときには、その意思表示が相手側に到達した時点で「労働契約の成立」があったとみなしています。
内定取り消しは、解雇と同じ扱いですが、取消は解雇権の濫用で、あくまで採用なら地位確認、就職希望しないなら損害賠償請求となります。賠償請求額は、そのことにより再就職が遅れた損害です。金額は、数ヶ月の賃金分ということになりますが、事情によるので一概に言えません。

ID:3086 投稿日:2014/11/07 18:06:34 投稿:ノブ

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