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税務訴訟

国税徴収法142条について教えてください。

国税徴収法142条に基づく家宅捜索と刑事訴訟法218条に基づく家宅捜索とではどちらがより強い権限を行使出来ますでしょうか?

やはり令状がいらない国税徴収法のほうが強い権限を行使できるのでしょうか?

ID:10211 投稿日:2019/06/13 18:51:19 投稿:kyuimaru

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回答数 6件

一般回答

ohnogi1017 さん

まず、昭和47年川崎民商事件最高裁大法廷判決において、税務調査において憲法35条が適用されない要件として判示された点は、次の二つです。

1.刑事責任追及を目的とするものではなく、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般に有するものと認められないこと。

2.強制の度合いが直接的物理的な強制と同視すべきほどに、相手方の自由意思を著しく拘束するものでないこと。

上記に照らしますと、税の滞納処分において行政がなぜ令状なしで捜索しても憲法違反にならないかというと、あくまでも歳入確保のための捜索であり刑罰を与えるために行えるものではないからです。

したがって、国税徴収法による捜索では刑罰を課すことはできませんので、令状が必要な刑事訴訟法による捜索のほうが刑罰を課すことができるわけですから、より強い権限を行使できます。

二つ目、対象者が捜索を拒否した場合にどこまでの強制力を行使できるのかについて解説いたします。

国税徴収法の捜索では、滞納者が扉や金庫などを開けるのを拒否した場合に徴収職員はこれらのものを開けるために必要な処分を行えますが(国税徴収法142条3項)、あくまでも必要最小限度の強制力にとどまります。

第142条3項の『必要な処分』とは、徴収職員が自ら開扉するための鍵の除去等をいう。なお、これらの処分をするに当たって、器物の損壊等は、必要最小限にとどまるよう配慮する(国税庁ホームページより)。

対して、警察による家宅捜索の目的は検挙のための証拠固めであり、刑罰を課すことを前提として行います。そのため、被疑者が開扉しない場合、エンジンカッターなどを用いて開扉することもできます。国税徴収法の捜索とは違い警察はそこまで配慮する必要がありません。

これらの点を総合的に勘案して、警察による家宅捜索のほうがより強い権限を行使できます。

ID:A20190613193733 投稿日:2019/06/13 19:37:33

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cityniihama2010 さん

なぜ国税徴収法第142条第1項に基づく捜索には令状が必要がないのかという点についてです。
1.本来、憲法第35条により令状が必要とされているのは犯罪捜査を目的とする刑事手続です(租税の徴収は行政手続)。それは刑事手続が国家による刑罰という最も過酷な制裁を課すことを目指して、強制力を用いて行われるものだからです。

2.そうはいっても、行政手続でも国民に大きな不利益を課したり強制力を用いる種類の手続もあるので、判例上、行政手続でも令状が必要な場合があるとされています。

3.以上を前提として、最高裁は租税徴収のための手続については、令状は必要ないとしています。以下がその判例の抜粋です。よって、強制力は刑罰という国家による最も過酷な制裁を課すことのできる令状の必要な刑事訴訟法第218条に基づく捜索の方が強いと言えます。


「 たしかに、(中略)検査拒否に対する罰則は、(中略)収税官吏による当該帳簿等の検査の受忍をその相手方に対して強制する作用を伴なうものであるが、(中略)収税官吏の検査は、もつぱら、所得税の公平確実な賦課徴収のために必要な資料を収集することを目的とする手続であつて、その性質上、刑事責任の追及を目的とする手続ではない。
また、右検査の結果過少申告の事実が明らかとなり、ひいて所得税逋脱の事実の発覚にもつながるという可能性が考えられないわけではないが、そうであるからといつて、右検査が、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有するものと認めるべきことにはならない。」(川崎民商事件 最高裁判決)

ID:A20190617193047 投稿日:2019/06/17 19:30:47

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gogonokochajanaimon さん

他のみなさんの回答と重複する点があるかとは思いますが、税金滞納のガサには、なぜ裁判所からの令状がいらないのかの趣旨について説明します。
国税徴収法が徴収職員による自力執行を認めているのには、判例・通説では次のように説明されています。

(1) 憲法の定める令状主義は行政手続一般にも適用されるものの、刑事手続において特に重要なのであって、刑事責任追及のためでなく差押財産の発見のために行われる捜索に裁判所の関与が定められていなくとも、憲法の法意に反しない。

(2) 租税の賦課徴収は大量反復して行われるものであるため、一々事前に裁判所の審理を仰ぐことにしておくと、裁判所機能が麻痺してしまう。


(3) 租税の徴収は私債権の回収と違い、公共の福祉のために行われるものであるので。


・・・などなどです。

上記(1)に照らしますと、刑事上の捜査手続きは、直接刑罰と結びつきますが、滞納処分の捜索手続は租税債権回収の実現を図ることを目的とし、基本的人権の侵害の度合いが小さいため、令状を必要としません。

よく「税金滞納の差し押さえには令状がいらないから警察より強い権利がある」なんて考えがちですが、令状がいらない国税徴収法の捜索では刑罰を課すことはできません。目的は徴収であり、刑罰を与えるものではありません。一方、令状が必要な警察による捜索の最終的な目的は刑罰を課すことであります。そのため、身柄拘束、逮捕という基本的人権を大きく侵害する手段がとれるわけです。そのため、令状を必要とします。

つまり、裁判官の発する令状が必要な刑事訴訟法218条に基づく警察による家宅捜索の方が強い権利を持つということになります。

以上、長文失礼いたしました。

ID:A20190617211323 投稿日:2019/06/17 21:13:23

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redblak_256501 さん

川崎民商事件において、行政調査に憲法35条が適用されない要件として示された規範は、次の2つです。

①刑事責任追及を目的とするものではなく、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般に有するものと認められないこと。

②強制の度合いが、直接的物理的な強制と同視すべきほどに、相手方の自由意思を著しく拘束するものでないこと。

上記②に照らせば、相手方の自由意思を著しく拘束しない国税徴収法142条の捜索よりも、相手方の自由意思を著しく拘束する犯罪捜索のための捜索の方が、強制力は強いということになります。

原則として令状が必要である捜査機関(司法警察職員・検察官・検察事務官)による捜索の方が強制力が強いと考えないと、無令状による捜索を認める国税徴収法142条は、憲法35条違反となってしまいます。

ID:A20190618063943 投稿日:2019/06/18 06:39:43

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haruyama_dream さん

1、憲法35条を読んで見ると分かるように
これは、刑事手続きの保障について規定しています。
現行犯以外、その住居に侵入され、捜索され押収はされない
もし、される場合には令状が必要である
勿論、令状については警察や検察などの捜査機関が独自に出す事はできず
司法官憲=裁判官が判断します。
このことからも憲法35条は、刑事保障手続きについての規定であります。

今回の質問にあります国税徴収法142条のように納税義務者が滞納した場合に徴税職員が裁判官の発する令状なく、
滞納者宅を捜索し、帳簿などの物件を検査したり、金銭的価値のある物件を差し押さえて滞納分に充てる制度は刑事責任追及のための資料の取得収集に直接
結びつく作用を一般的に有しているとは言えないし
その強制の度合いも直接物理的な強制と比べると
相手方の自由を著しく拘束するものではないため
あらかじめ裁判官の発する令状によることを
要件としておらず、憲法35条に反するとは言えないということです。

2、国税徴収法142条に規定する捜索は,もっぱら税の公平確実な賦課徴収を目的とする手続であって,刑事責任の追及を目的とする手続ではなく,また,そのための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有するものでもないこと,および,その強制の度合いも直接物理的な強制と比べると相手方の自由を著しく拘束するものではない

、、、
何故ならば、あくまでも再三の督促にも関わらず税金を払ってくれないから賦課徴収のために捜索に
来るのであり
これは、税の公平確実な賦課徴収を目的とするものであり、刑事責任追及を目的とするものではない
また、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有するものではないから裁判官の発する令状がいらないのです。

3、捜索を拒否した場合についても,徴収法の捜索では滞納者が扉や金庫などを開けない場合には,鍵を壊すなどの手段がとれますが,その際に器物の損壊等(扉や金庫の鍵を壊すなど)は必要最小限度にとどめるよう配慮する旨が国税庁の法令解釈通達でも出ています。
一方,警察や検察などの捜査機関による裁判所が発布する令状の執行(逮捕,捜索)では,被疑者が捜索を拒否した場合,チェーンソーでもエンジンカッターでも爆発物、クレーン、ブルドーザーでも使えますから、令状が必要な捜査機関の方がそれだけの権限があるという事です。

現に組関係の捜索では,組員が激しく抵抗するケースが多いため,警察がよくチェーンソーやエンジンカッターを用いて着手しています。また、2010年には,大阪府警が弘道会系のヤミ賭博場の捜索に際し、鉄製ドアを爆破して着手しています。

さて、、、

長くなりましたが、結論をいいますと、以上すべての点から見て、裁判所の発布する令状がいらない国税徴収法に基づく捜索よりも、裁判所が発布する令状が必要な警察や検察などの捜査機関による捜索の方が行使できる権限は格段に強いです。だからこそ、捜査機関の判断で公権力を濫用されては困るので、裁判官の判断で令状を発布してもらう必要があるのです。

ID:A20190618200046 投稿日:2019/06/18 20:00:46

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一般回答

fujikawa10041215 さん

質問者様のおっしゃる通り、刑訴法に基づく捜索差押えには、令状(捜索差押許可状)が必要ですが、国税徴収法に基づく捜索差押えには、令状は一切不要とされています。

それはなぜかといいますと、他の回答者様の回答にもありますように、国税徴収法の捜索で刑罰を課すことは出来ません。あくまでも徴収が目的なのであり、刑罰を与えるものではないので、令状が一切不要なのであります。これに対して、警察の家宅捜索は刑罰を課すことが目的であり、刑訴法に基づく捜索差押えには令状(捜索差押許可状)が必要とされるわけであります。

そもそも強制力が強いからこそ、捜査当局の独断で職権を行使されたら困るわけであり、裁判官の厳正な審査の元で出された令状によりコントロールするというのが令状主義の趣旨であります。

従いまして、国税徴収法に基づく捜索差押えには令状が不要だから、令状が必要な刑訴法に基づく捜索差押えよりも強制力が強い云々というのは、全くもって有り得ないわけであります。

ID:A20190621175034 投稿日:2019/06/21 17:50:34

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