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つまこい法律事務所

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東京都千代田区外神田6-16-9 ICOPビル7F
TEL
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土曜日・日曜日・祝日(土曜・祝日相談可)
公式HP
http://tsumakoi-law.com/

つまこい法律事務所のコラム

投稿:佐久間大輔

転勤は断れるか?

 会社勤めに転勤は、ついて回るもの。でも、育児や介護の負担がある人にとっては、重大事です。家庭の事情を理由に、転勤を断ることはできるのでしょうか。

 会社には、勤務地を限定するという労働者との合意がなく、就業規則等で配置転換を定めていれば、転勤を命じる権限があります。ただし、①業務上の必要性がない、②嫌がらせなど不当な動機や目的がある、③著しい不利益を労働者に与える、のいずれかに該当する場合は、権利の濫用とし
て、転勤命令は無効となります。

 家庭の事情で転勤を拒否し、過去に裁判となった例では、③の「著しい不利益」が認められるかどうかが争点となりました。

 共働きの妻と2歳の娘、70歳代の母親と同居し、神戸から名古屋への転勤命令を拒否した社員が、懲戒解雇された例では、妻は仕事を辞められず、母は健康だが連れていくのは難しく、単身赴任を強いられるなどと社員は訴えましたが、裁判所は、「転勤に伴い通常甘受すべき程度」の不利益だとして、転勤命令を有効としました。

 一方、共働きの妻と6か月、3歳の子がいて東京から大阪への転勤を拒んだ社員の場合、裁判所は、子2人が重症のアトピー性皮膚炎で、通院や看護、入浴や食事の配慮など「仕事を持った親1人で対処するのは肉体的、精神的にも過酷」だとして、「通常甘受すべき不利益を著しく超える」とし、転勤命令を無効としました。

 この裁判では、社員が転勤に応じることのみを強く求めた会社の対応が、2002年施行の改正育児介護休業法の趣旨に反し、権利濫用にあたるとも指摘されました。同法は、転勤を命じる際には、社員の意向を斟酌するなどの配慮をするよう義務づけています。

 他の裁判例の傾向から、家族の看護や療養で特別に手がかかるという事情があれば、転勤命令を拒むことはできます。ただし、拒むと業務命令違反を理由に懲戒解雇をされる可能性があるので、いったん転勤命令に応じた上で、その効力を裁判で争うという方法を選ぶのが賢明かもしれません。

2015/06/26

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